ヘザー:「自宅での円滑な業務をサポートするためテクノロジーが急速に発展し続ける中、従来の『オフィス』は完全に姿を消すと思いますか?」
トム:「『オフィス』という言葉には、机が並んでいて、画面を見ながら仕事をしている人たちの姿を思い浮かべるという、ちょっとした先入観がありますよね。 確かに、それは変わっていくと思いますよ。 しかし、人々が集う場所は常に必要です」
デザイナーとクライアントという二足の草鞋を履いているニコラスとトムは、職場環境の必要性は常に存在するが、現在の企業不動産の50%は今後5年以内に消滅するか再利用されるだろうと述べています。
さらにポールは、職場の大部分はコラボレーション・スペースになると意見を加えました。
ニコラス:「アイデアを共有する機会を作るためには、1つのハブにコラボレーションとコネクション用の場所づくりが重要です」
トム:「先進的なテクノロジーやスペース、従業員の文化を提供する最高の職場環境は、大企業が人材の確保と維持のための『軍拡競争』の中で、新しい世代を惹きつけるのに役立つでしょうね」
リチャード:「組織と話していてよく耳にするのは、顔と顔を合わせたリアルタイムな交流がないために、誰もお互いから学ぶことができなくなっているという事実です。当初、在宅勤務は集中して仕事ができるため生産性が一時的に上がりましたが、今では信頼、幸福感、コミュニティの欠如によって生産性が低下してきています。 未来の職場環境は、社員自ら意欲的に活動できるよう、インフォーマルな "浅い仕事"(Eメール送信、ズームミーティング、管理業務など)と、最終的に社員がやるべき集中的な仕事の両立が肝心ですね」
ポール:「では、どうすれば人々をオフィスに復帰させることができると思いますか? 数年前にAirBnBやハイテク企業がやっていたように、ビーンバッグ・チェアやウォーキングコースをオフィスデザインに取り入れるのは簡単なことなのでしょうか」
ニコラス:「人をオフィスに戻すだけでなく、社員に選択肢を与える環境を作ることが大事ですね」
トム:「職場は、例えばジムみたいに、さまざまな結果を出すためのさまざまな器具が用意されるべきだと考えています。社員のさまざまなニーズや要求に応えるために、さまざまなタイプのツール、セッティング、スペースが用意されているべきですよね。家ではこれらを効果的に行うことができません」
ポール:「では、どのようなテクノロジーを使えば、社員がオフィスに戻る動機付けになるのでしょうか」
リチャード:「テクノロジーの種類の問題ではなく、テクノロジーを使いこなすよう社員を促すことが重要だと思いますよ。誰でも、まったく操作がわからなくて、ずさんなズームミーティングをした経験があるはずです。社員をしっかりサポートするためのテクノロジーを開発し、そのテクノロジーに合わせて適切に対応することが肝心です。これこそが成功の鍵となるでしょうね」
ヘザー:「ポールさん、社員が部分的には自宅で、部分的にはオフィスで働くというハイブリッドな働き方が定着しています。この新しい働き方の『規範』において社員をサポートするため、現在どのような種類のテクノロジーがあり、何が準備されているのでしょうか?」
この興味深い質問を受けて、多くの議論が交わされました。「職場に発生した隔たり」の最後となるエピソード6では、パネリストの考えをご紹介します。